マゾヒストのパラドックス

 このブログが要らぬ世話、大きなお世話ではないかという自覚はある。

 元々の性癖が、マゾである人もいるだろう。自分のイメージするサディストと出会い、その主様によって救われたという人もきっといるだろう。

 しかし、Mの要素もあるけれど、そうした性的嗜好以前にひとりの人間として愛する人を喜ばせたい、喜べる自分でありたい。心にそう思う部分が少しでもあるなら、忘却を強要する地獄の門をくぐらない方がいい。
 サディストは二種類いる。仮にそのサディストが男のヘテロである場合、女を愛することを知っている者と、女で性欲を満たす術を知っているだけの者の二種類だ。

 愛されることが目的でなく、辱められ身も心もボロボロにされることが目的ならば、後者のサディストをご主人様として選ぶといい。需給のバランスはしっかりと取れている。

 だが、多くのマゾヒストは、実は愛されたいと願っているように見える。嘘をついている訳でなく、その想いを抑圧していたり、より強い被虐欲に視界を塞がれているのだと思う。

 私は、後者をご主人様と認めない。愛を知っている人か、見分ける自信が私にはある ―― あなたの、その認識は正しいかもしれない。ご主人様になる前、あるいはなった直後は、あなたは本当に愛されているかもしれない。

 しかし、SMは毒液を湛えた沼のようなものだ。プレイを幾度か経験する中で、サディストの精神は次第に冒されてゆく。彼我のバランスが、ゆっくりと崩れてゆく。

 あなたが身を捧げれば捧げるだけ、あなたが好きだった人はいなくなってゆく。
「マゾヒストのパラドックス 」 is writed by マスターOB@SM主従関係の相克.
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支配と服従
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支配と服従